2024/10/9

【論文出版】人口寄与分画(PAF)の計算におけるバイアスについて

因果推論は、医学分野における重要な課題です。

因果効果を評価する際に、人口寄与分画(population attributable fraction: PAF)という指標がしばしば用いられます。

2014年11月号のEpidemiologyでは、PAFを計算する際に生じるバイアスについて、以下の理論論文が出版されました。

Flegal KM.
Bias in calculation of attributable fractions using relative risks from nonsmokers only.
Epidemiology. 2014;25(6):913–916.
本論文へのリンク

同じく2014年11月号では、上記の論文へのコメンタリーも出版されています。

Darrow LA.
Commentary: Errors in estimating adjusted attributable fractions.
Epidemiology. 2014;25(6):917–918.
本論文へのリンク

この度、Flegal (2014) 論文の誤りを指摘したレターが、2024年11月号のEpidemiologyに出版されました。

Suzuki E, Yamamoto E.
Re: Bias in calculation of attributable fractions using relative risks from nonsmokers only.
Epidemiology. 2024;35(6):e21–e22. (doi: 10.1097/EDE.0000000000001786)
本論文へのリンク

本レターでは、Flegal (2014) 論文の内容を、PAFに関する最新の理論をもとに解説しています。

PAFの理論については、下記の論文で論じています。

Suzuki E, Yamamoto E.
Attributable fraction and related measures: Conceptual relations in the counterfactual framework.
J Causal Inference. 2023;11(1):20210068. (doi: 10.1515/jci-2021-0068)
本論文へのリンク

Suzuki E, Yamamoto E.
Errors in the calculation of the population attributable fraction.
Epidemiology. 2024;35(4):469–472. (doi: 10.1097/EDE.0000000000001731)
本論文へのリンク

なお、FlegalからのRejoinderも出版されています。

Flegal KM.
The author responds.
Epidemiology. 2024;35(6):e22. (doi: 10.1097/EDE.0000000000001787)
本論文へのリンク

これらの研究によって、因果推論の理解がさらに深まることを期待します。

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