2021/2/16

【論文出版】カナダにおける、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連

カナダにおける、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連について、原著論文がSocial Psychiatry and Psychiatric Epidemiologyに掲載されました。


Izutsu M, Suzuki E.
Is a sense of community belonging associated with problem gambling in Canada?
Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2021, (In press).
(doi: 10.1007/s00127-021-02040-w)
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ギャンブル障害について、個人レベルのリスク因子を評価した研究は多くありましたが、地域レベルのリスク因子に関する研究はほとんどなされておらず、公衆衛生上の対策を実施する上で課題となっています。


著者らは、地域レベルのリスク因子の一つとして、ソーシャルキャピタルの一要素である地域への帰属意識とギャンブル障害の関連について研究を行いました。本研究では、カナダの公的統計であるCanadian Community Health Surveyのデータを用いました。


地域への帰属意識がとても強い集団と比較すると、地域への帰属意識がとても弱い集団の方がギャンブル障害の危険性が高まることがわかりました(調整済みオッズ比:2.32倍(95%信頼区間:1.34−4.02))。さらに、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連は、性別や婚姻状況によって効果修飾される可能性が示されました。


本研究により、ギャンブル障害に対する新たな公衆衛生アプローチの可能性が示されるとともに、対象集団に応じた対策を実施することの重要性も示唆されました。

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