2010/6/26
43rd Annual SER Meeting現地レポート
昨年もご好評をいただきました(?)SER現地レポートです。昨年のアナハイムに引き続き、今年はシアトルからお送りしています。シアトルといえば、疫学者として忘れてはならないのはワシントン大学ですね。疫学・公衆衛生領域において世界的にも有名な大学の一つです。また、近くにはFred Hutchinson Cancer Research Centerもあり、癌研究で世界的に有名ですね。ただ、そういったことは置いといて、純粋にシアトルという街を語る上で欠かせないのは、やはり、マリナーズ、そしてスターバックス発祥の地ということでしょうか。街中でもマリナーズ51番のIchiroのユニホームを着た人を少なからず目にします。やはり、今やチームの顔、いやMLBの顔とも言えるのかもしれません。特にこの期間は、マリーナーズvs.カブス戦がホームで開催されることもあり、カブスのユニホーム姿の人もちらほら目にします。中には、カブスの1番のユニホームの人も…。そう、Fukudomeですね。最近は控えが多いですが…。また、スターバックス一号店では、連日多くの観光客が訪れて写真を撮っています。シアトルには、スターバックス以外にもコーヒー専門店が数多く見られます。みんなコーヒーが大好きなのでしょうね。コーヒーの健康影響を評価する上では、まさに最適の街かもしれません。その他にも、シアトルにはボーイングの工場があり、工場ツアーでは現在注目を集めている787をはじめ、数多くの機体が流れ作業で作られている場所を目の当たりにすることができます。ということは、産業保健の現場としても興味深い街ということでしょうか。もちろん、騒音等による環境疫学のフィールドとしても重要でしょうか。このような街でSERが開催されるのは、まさに疫学者にとって願ったりかなったりかもしれません。
さて、話を本題に戻して、6月23日水曜日の夕方から始まった第43回SER年次総会も、初日から活発な議論がなされています。SERは、Society for Epidemiologic Researchの略で、American Journal of Epidemiologyの母体となっている学会です。毎年、北米(主に米国)の各地で開催されており、近年では、疫学方法論、因果推論のシンポジウムや発表が数多く見られます。Past-PresidentのDr. Maclureも開会の挨拶で述べていたように、まさに「疫学方法論の学会」と言っても過言ではないでしょう。疫学関連で最も大きな学会の一つと言えますが、それだけに数多くのビッグネームに会うこともできます。また、近年では、社会疫学の論題も増えており、多くの発表がなされています。
初日のPoster Sessionでは、”Does low workplace social capital have detrimental effect on workers’ health?”、”Workplace social capital and smoking among Japanese private sector employees”と題して二つのポスター発表をしました。Poster Sessionと並行して、Welcome Receptionも開催され、それぞれネットワーキングを楽しんでいる様子です。日本からの出席者はほとんどいませんが、一年前にお会いした海外の方々に顔を覚えて頂いていると、やはり少し嬉しくなりますね。逆に、こちらが覚えていないと少し焦りますが…。
二日目は、8時30分よりSER PresidentのDr. MurrayによるPresidential AddressとKeynote Lectureが行われ、これまでの疫学者としての経緯を興味深く聞くことができました。昨年のPresidential AddressのDr. Maclureの話がかなりいい内容でしたので、Dr. Murrayもプレッシャーに感じていたようです。続いて、10時30分からはSpotlight Session 1があり、Methods for Estimating Marginal Causal Effectsと題するセッションに参加しました。いずれの発表も、参加者が既に因果推論に関するある程度の(多くの?)知識を有していることが前提のような感じで、非常にスピーディーに発表が進んでいきます。今年のSERは昨年にも増して、更にMSM (Marginal Structural Models) などの因果モデルに関する発表が多くなっている印象を受けます。因果推論関連のセッションであっても無くても、参加者の発表やコメントの中に、普通にCounterfacrualやDAGなどの用語がポンポン出てくるあたりも、SERならではといえるかもしれません。
午後は、Unnatural selectionに関するSymposia 1に次いで、Quasi-experimental designsに関するSpotlight Session 2に出席する予定です。その後、夜までPoster Session 2がありますが、いずれも興味深い発表が続きますので、色々と学んでみたいと思います。それでは、現地レポート第二回もお楽しみに・・・。
ES
さて、話を本題に戻して、6月23日水曜日の夕方から始まった第43回SER年次総会も、初日から活発な議論がなされています。SERは、Society for Epidemiologic Researchの略で、American Journal of Epidemiologyの母体となっている学会です。毎年、北米(主に米国)の各地で開催されており、近年では、疫学方法論、因果推論のシンポジウムや発表が数多く見られます。Past-PresidentのDr. Maclureも開会の挨拶で述べていたように、まさに「疫学方法論の学会」と言っても過言ではないでしょう。疫学関連で最も大きな学会の一つと言えますが、それだけに数多くのビッグネームに会うこともできます。また、近年では、社会疫学の論題も増えており、多くの発表がなされています。
初日のPoster Sessionでは、”Does low workplace social capital have detrimental effect on workers’ health?”、”Workplace social capital and smoking among Japanese private sector employees”と題して二つのポスター発表をしました。Poster Sessionと並行して、Welcome Receptionも開催され、それぞれネットワーキングを楽しんでいる様子です。日本からの出席者はほとんどいませんが、一年前にお会いした海外の方々に顔を覚えて頂いていると、やはり少し嬉しくなりますね。逆に、こちらが覚えていないと少し焦りますが…。
二日目は、8時30分よりSER PresidentのDr. MurrayによるPresidential AddressとKeynote Lectureが行われ、これまでの疫学者としての経緯を興味深く聞くことができました。昨年のPresidential AddressのDr. Maclureの話がかなりいい内容でしたので、Dr. Murrayもプレッシャーに感じていたようです。続いて、10時30分からはSpotlight Session 1があり、Methods for Estimating Marginal Causal Effectsと題するセッションに参加しました。いずれの発表も、参加者が既に因果推論に関するある程度の(多くの?)知識を有していることが前提のような感じで、非常にスピーディーに発表が進んでいきます。今年のSERは昨年にも増して、更にMSM (Marginal Structural Models) などの因果モデルに関する発表が多くなっている印象を受けます。因果推論関連のセッションであっても無くても、参加者の発表やコメントの中に、普通にCounterfacrualやDAGなどの用語がポンポン出てくるあたりも、SERならではといえるかもしれません。
午後は、Unnatural selectionに関するSymposia 1に次いで、Quasi-experimental designsに関するSpotlight Session 2に出席する予定です。その後、夜までPoster Session 2がありますが、いずれも興味深い発表が続きますので、色々と学んでみたいと思います。それでは、現地レポート第二回もお楽しみに・・・。
ES