2016/12/5

交絡の四つの観念を論じた論文出版のお知らせ

疫学ではしばしば、因果推論における大きな課題として「交絡(confounding)」が取り上げられます。

このように交絡は非常に重要な概念であるにもかかわらず、交絡の異なる観念(notion)は十分に理解されていないため、因果推論や疫学理論における混乱が生じてきました。

この度、交絡の四つの異なる観念を論じた総説論文がJournal of Epidemiologyにオンライン出版されました。

本論文では、反事実モデルの観点から、以下の四つの観念を区別することの重要性を論じています。

  • Confounding in distribution
  • Confounding in measure
  • Confounding in expectation
  • Realized confounding

これらの観念の違いを説明するに際して、本論文では、「4人の喫煙者における禁煙プログラムの実施」という非常にシンプルな例を用いています。加えて、交絡に関する深い理解が、DAG(directed acyclic graph)という因果ダイアグラムの有用性を理解する上で必要不可欠であることを述べています。

Suzuki E, Mitsuhashi T, Tsuda T, Yamamoto E.
A typology of four notions of confounding in epidemiology.
J Epidemiol. (In press). (doi:10.1016/j.je.2016.09.003)
本論文へのリンク

本論文が、交絡の異なる観念に関する理解を深める一助となることを期待しています。


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