2015/5/11

因果指標の一般性・普遍性を論じたコメンタリー出版のお知らせ

因果推論において、因果指標を明確に定義することは欠かせません。この度、因果指標の全体像を俯瞰し、その一般性や普遍性を論じたコメンタリーがEpidemiologyに出版されました。

コメンタリーの対象となった論文で、米国エモリー大学のDr. FlandersとDr. Kleinは、従来の因果指標の定義を多変量に拡張することを提唱し、その一般的な定義を与えました。本コメンタリーは、彼らが提唱した定義の意義を明確にするため、例として、コホート研究ではよく知られているtruncation by deathの状況下で因果指標をどのように定義できるかを論じました。そして、因果指標の定義を一般化するためには、ターゲット集団を明確にすることが重要である点を指摘しています。加えて、truncation by deathの状況をDAGs(directed acyclic graphs)でどのように視覚的に表すべきかについて、potential outcomeモデルとの対応を明確にして論じるとともに、最近我々が提唱したextended DAGsへの応用も示しました。なお、本コメンタリーに対して、Dr. FlandersとDr. Kleinからのrejoinderもあわせて出版されています。

一連の論文が、因果指標のさらなる理解に寄与することを期待しています。

Suzuki E.
Generalized causal measure: the beauty lies in its generality.
Epidemiology. 2015: (In press). doi: 10.1097/EDE.0000000000000304
本論文へのリンク

コメンタリーの対象となった論文
Flanders WD, Klein M.
A general, multivariate definition of causal effects in epidemiology.
Epidemiology. 2015: (In press).
本論文へのリンク

著者からのrejoinder
Flanders WD, Klein M.
The author responds.
Epidemiology. 2015: (In press)
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