2024/11/20

【論文出版】体外受精と出生児の健康・発達予後

岡山大学疫学・衛生学分野と産婦人科が共同で実施した研究が欧州小児科学会誌に掲載されました。本研究では、日本産婦人科学会の周産期データベースと厚生労働省の21世紀出生児縦断調査をリンクすることで、体外受精で生まれたお子さんの9歳までの健康と発達を追跡しました。その結果、体外受精で出生したお子さんと自然妊娠で生まれたお子さんを比較して、ほとんどの健康・発達指標において有意な差を認めませんでした。単一胚移植が推奨される日本の生殖医療において、重要な知見を示した研究と言えます。

Matsumoto, N., Mitsui, T., Kadowaki, T. et al. In vitro fertilization and long-term child health and development: nationwide birth cohort study in Japan. Eur J Pediatr 184, 24 (2025). https://doi.org/10.1007/s00431-024-05883-y

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2024/11/15

「胎児期・小児期メチル水銀曝露と認知機能の関係」研究実施のお知らせ

1970年11月~12月に熊本大学実施の神経学的・精神医学的診察に参加された方およびそのご家族の方へ
―「胎児期・小児期メチル水銀曝露と認知機能の関係」研究へご協力のお願い―

研究機関名およびその長の氏名:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 研究科長 成瀬 恵治

研究責任者:岡山大学学術研究院医歯薬学域 疫学・衛生学分野  教授 賴藤 貴志

1) 研究の背景および目的
水俣病についてはこれまで、重度な神経症状を持つ胎児性水俣病患者の方の研究は多くなされてきましたが、胎児期・小児期に低~中濃度のメチル水銀に曝露された方の健康影響についてはあまり注目されてきていません。
今回の研究では、胎児期・小児期メチル水銀曝露と認知機能の関係について実態の一部を明らかにすることを目的として、1970年当時、熊本大学が「精神遅延の臨床疫学的研究」として実施した神経学的・精神医学的診察の結果を再検証します。

2) 研究対象者
1970年11月~12月に熊本大学が実施した神経学的・精神医学的診察に参加された方431人を研究対象とします。

3) 研究期間
  研究機関の長の許可日~2026年3月31日
  情報の利用開始予定日:研究機関の長の許可日から1週間後

4) 研究方法
1970年11月~12月に実施された神経学的・精神医学的診察の結果の一部を入手します。水俣病多発地域を校区とするA中学校を居住地区で「汚染濃厚地区(月の浦、湯堂、茂道)群」と「その他の地区群」に分け、メチル水銀の汚染が少なかった地区にあるB中学校を「非曝露地区」として、3つの地区の間で認知テストの結果の比較を行います。

5) 使用する情報
この研究に使用する情報として、1970年11月~12月に実施された神経学的・精神医学的診察の結果から以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報取得しません。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

・性別、1970年当時の学年、出生地域、知能偏差値の得点

6) 情報の保存
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野 賴藤研究室で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。

7) 研究資金と利益相反
この研究は、研究責任者の研究費(「科学研究費助成事業」基盤研究(C)分担金)を用いて実施します。
この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。

8)研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。

<研究についての問い合わせ連絡先>
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野
 氏名:賴藤 貴志
 電話:086-235-7173 (平日 9時〜18時)

<研究組織>
既存情報の提供のみを行う機関
水俣協立病院  院長 重岡 伸一
名誉院長 藤野 糺

<研究への情報の利用を拒否する場合の連絡先>
水俣協立病院
担当者:看護師長 松本 幸美
電話:0966-63-1704 
(月・金/9:00~19:00 火・木/9:00~17:00 水・土/9:00~12:00)

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【研修会案内】岡山県感染症対策ネットワーク主催 感染症研修会

 下記の要領で、県内で感染症に興味のある医療従事者等を対象とした研修会を開催します。参加希望の方は下記より、お申込みください。

タイトル:令和6年度岡山県感染管理・疫学専門家養成研修事業
     感染症のイロハを学ぼう -感染症専門医や感染管理認定看護師の仕事や活動を知る-
日  時:2025年1月11日 (Sat) 10:00–17:00
場  所:ピュアリティまきび
目  的:1.新型コロナウイルス感染症の対応を通じて得られた知見や課題などを踏まえ、日常の診療や看護において必要な感染症の知識を習得する
     2.感染症専門医や感染管理認定看護師の仕事、各病院の感染対策チーム・抗菌薬適正使用支援チームの活動を知る
     3.岡山県内で活躍する感染症専門医や感染管理認定看護師に日常診療・看護、資格所得などの相談
対  象:岡山県内で感染症に興味のある医療従事者等
内  容:岡山県内の感染症診療の現状、感染対策総論、COVID-19クラスター対応の経験談など
     プログラム詳細はこちら
参加方法:こちらより、参加者情報をご登録の上、お申し込みください。申し込み締切 2024年12月12日(Thu)。
連絡先 :岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野

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2024/11/6

【論文出版】在胎不適当過少児(SGA)と川崎病(KD)のリスク

21世紀出生児縦断調査(2010年出生児)のデータを活用し、SGAがKDのリスクを増加させるか検証しました。結果、SGAはKDによる入院のリスクを増加させていませんでした。早期の保育の有無、早産を考慮しても結果は変わりませんでした。今後、更なる検証が必要です。

Satoe Takanaga, Naomi Matsumoto, Tomoka Kadowaki, Soshi Takao, Takashi Yorifuji.
Small-for-Gestational-Age Status and the Risk of Kawasaki Disease: A Nationwide Birth Cohort in Japan.
Acta Med Okayama. 2024 Oct;78(5):363-370. doi: 10.18926/AMO/67656.

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