2024/7/26

【論文出版】日本の鍼灸師におけるB型肝炎ワクチン接種状況に関するインターネット調査

2018年に実施したインターネット調査により、国内の鍼灸師のB型肝炎ワクチン接種状況について検討しました。B型肝炎ワクチン接種者の割合は31.8%に留まっており、鍼灸師に対するワクチン接種の推奨が必要であることを示唆しています。また、鍼灸師が国家資格となった1993年以降に養成校を卒業した者の接種割合が高い傾向にありました(POR 3.29(95%CI:0.69-31.31))。

Nobuyoshi Matsuki, Etsuji Suzuki, Toshihide Tsuda, Hiroyuki Doi, and Takashi Yorifuji
An Internet-based survey of hepatitis B vaccination status among acupuncturists in Japan
JAM 2024;Vol.18:8-14

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【論文出版】疾病進行における予防可能分画 (preventable fraction)

疫学研究で予防効果を評価する際に、予防可能分画(preventable fraction)という概念がしばしば用いられます。

この度、疾病進行(disease progression)の状況で、予防可能分画をどのように理解できるかを扱った論文がEpidemiologyに出版されました。

Gonçalves BP, Suzuki E. [Co-corresponding authors]
Preventable fraction in the context of disease progression.
Epidemiology. (In press). (doi: 10.1097/EDE.0000000000001770)
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この論文は、英国サリー大学の研究者との共同研究です。

本研究によって、因果推論の理解がさらに深まることを期待します。

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2024/7/16

高尾メソッドのセミナー等における紹介について

高尾メソッドをセミナー等で紹介している場合は、以下の2枚目のスライドを必ず、研修資料に含めて紹介をしていただくようお願いしています(適切に引用をする限りにおいて、紹介は自由としています)。

高尾メソッド引用20240607

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2024/7/3

【論文出版】COVID-19パンデミック中の自殺未遂者の緊急出動について

岡山市の救急出動データを用いて、COVID-19が流行した2020年1月以降に自殺未遂が増えたかを検討しました。COVID-19流行前と比較し、COVID-19が流行した2020年と2021年に自殺未遂が増加していました。特に、25-49歳の男性、65歳以上の男性、25-49歳の女性の自殺未遂の増加が顕著でした。

Yuka Yamamura, Naomi Matsumoto, Soshi Takao, and Takashi Yorifuji
Emergency Dispatches for Suicide Attempts during the COVID-19 Pandemic in Okayama, Japan: An Interrupted Time-series Analysis
JMA J. 2024 Jul 16;7(3):418-422. doi: 10.31662/jmaj.2024-0009. Epub 2024 Jun 3.

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【論文出版】国立病院機構岡山医療センターの玉井先生らとの共著論文

国立病院機構岡山医療センター新生児科の玉井先生らとの共著論文が出版されました。

Tamai K, Takeuchi A, Nakamura M, Nakamura K, Matsumoto N, Yorifuji T, Kageyama M. Association between mean airway pressure during high-frequency oscillatory ventilation and pulmonary air leak in extremely preterm infants during the first week of life. Front Pediatr. 2024 May 30;12:1410627. doi: 10.3389/fped.2024.1410627.

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「既存データを用いた吉備中央町における有機フッ素化合物による健康影響調査」研究実施のお知らせ

吉備中央町において特定健康診査・後期高齢者健康診査・出生届を受けられた方およびそのご家族の方へ
―「既存データを用いた吉備中央町における有機フッ素化合物による健康影響調査」へご協力のお願い―

研究機関名 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究責任者 岡山大学学術研究院医歯薬学域 疫学・衛生学分野 教授 賴藤貴志

1) 研究の背景および目的
PFASという有機フッ素化合物は、世界中で広く使われています。さまざまな産業や製品に利用されていますが、一部のPFASは体内に蓄積され、健康に影響を及ぼす可能性があります。肝機能や脂質異常、がん、免疫や内分泌系の問題、妊娠時の合併症や早産といった問題が指摘されていますが、これについてはまだ多くの研究が必要です。日本でも、PFASの血液中の濃度や母体・母乳中の検査は行われていますが、その影響についての具体的な報告はあまりありません。今回の研究では、吉備中央町の円城浄水場でPFASが基準値を超えていたことを受け、その水を利用している地域住民の健康にどのような影響があるかを評価します。
そのために、吉備中央町の2013年度から2022年度の特定健康診査・後期高齢者健康診査を受診された方のデータ、および2013年4月から2023年9月に出生された方のデータを取得し、肝機能や脂質異常、早産・低出生体重児の割合を調査します。

2) 研究対象者
2013年度から2022年度に吉備中央町において特定健康診査・後期高齢者健康診査を受けられた方で、分析対象となる血液検査項目に関するデータに欠損のない方1800名と、2013年4月~2023年9月に吉備中央町において出生した方500名を研究対象とします。

3) 研究期間
研究機関の長の許可日~2029年5月末日
情報の利用開始予定日:倫理審査委員会承認後から1週間後

4) 研究方法
吉備中央町の住民の方を対象に、2013年度から2022年度の特定健康診査・後期高齢者健康診査結果と2013年4月から2023年9月の出生届のデータを使用して、円城浄水場からの水道の供給を受けていた地区に居住する住民(「円城地区」)とそれ以外の地区に居住する住民(「それ以外の地区」)での比較を行い、円城浄水場の水を摂取することにより健康影響が引き起こされているかを調べます。

5) 使用する情報
この研究に使用する情報として、吉備中央町特定健康診査と後期高齢者健康診査、出生届から以下の情報を抽出し使用させていただきます。データは、吉備中央町保健課にて、既に氏名などのあなたを直ちに特定できる情報は削除され、個人が特定できない状態で岡山大学に提供されています。また、あなたの情報が漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

特定健康診査・後期高齢者健康診査
宛名番号、住民区分、生年月日、性別、健診受診日、既往歴、自覚症状、身体計測(BMI)、血中脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、nonHDL、LDLコレステロール)、肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)
出生届
宛名番号、住所、生年月日、性別、出生時体重、妊娠週数、父母の生年月日、住民区分、住民になった異動日

6) 情報の保存
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科賴藤研究室で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。また、本研究で得られた情報を将来の研究に用いる可能性はありません。

7) 研究資金と利益相反
 この研究は、研究責任者が所属する教室の運営費交付金を用いて行います。また、この研究に関して利害関係が想定される企業などで研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。

8)研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も皆様に不利益が生じることはありません。

岡山大学学術研究院医歯薬学域 疫学・衛生学分野
教授 賴藤 貴志

<研究組織>
既存情報の提供のみを行う機関 吉備中央町 保健課 課長 塚田 恵子

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2024/7/2

【学会発表】Synergy index Sに関するシンポジウムなど(@57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Research)

2024年6月18~21日に、米国テキサス州オースティンで、57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Researchが開催されました。

Dr. Rothmanが1974年のAJE論文で提唱したSynergy index Sの50周年を記念したシンポジウムで、以下のように発表を行いました。

The Birth of S: A Half-Century of Causal Synergism (Sponsored by Epidemiology)

Chair: Jay Kaufman
Presenters:
· Alfredo Morabia – The History of Interaction
· Tyler VanderWeele – Mapping Interaction Measures to Motivations
· Maya Mathur – Are Unknown Effect Modifiers Lurking Everywhere?
· Etsuji Suzuki – Discerning Causal Mechanisms of Synergy
· Jessie Buckley – Multipollutant Mixtures: To Synergy and Beyond
· Kenneth J Rothman – Discussant

また、以下のポスター発表を行いました。

Suzuki E, Yamamoto E. Errors and their visualization in the calculation of the population attributable fraction. 57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Research. Austin, TX, June 18–21, 2024. Abstract book P. 603. (Poster presentation, Poster Session 2 on June 19, 2024, Poster Number: P222)

Nakayama K, Matsumoto N, Suzuki E, Kawachi I. Paternal involvement and development outcomes among low birthweight children in Japan. 57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Research. Austin, TX, June 18–21, 2024. Abstract book P. 825. (Poster presentation, Poster Session 2 on June 19, 2024, Poster Number: P1043)

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【論文出版】人口寄与分画(PAF)の不適切な計算により生じるエラー

因果推論は、医学分野における重要な課題です。

因果効果を評価する際に、人口寄与分画(population attributable fraction: PAF)という指標がしばしば用いられます。

この度、PAFの不適切な計算により生じるエラーを視覚的に評価した論文が、Epidemiologyに出版されました。

Suzuki E, Yamamoto E.
Errors in the calculation of the population attributable fraction.
Epidemiology. 2024;35(4):469–472. (doi: 10.1097/EDE.0000000000001731)
本論文へのリンク

この論文は、2023年にJournal of Causal Inferenceに出版された以下の論文の内容を、拡張したものです。

Suzuki E, Yamamoto E.
Attributable fraction and related measures: Conceptual relations in the counterfactual framework.
J Causal Inference. 2023;11(1):20210068. (doi: 10.1515/jci-2021-0068)
本論文へのリンク

これらの研究によって、因果推論の理解がさらに深まることを期待します。

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