因果推論は、医学における重要な課題です。
その際にしばしば直面するのは、交絡の問題です。
2020年に、オランダのマーストリヒト大学の研究者が、交絡に関する教育的論文を
Journal of Clinical Epidemiologyに発表しました。
Bours MJL.
A nontechnical explanation of the counterfactual definition of confounding.
J Clin Epidemiol 2020;121:91-100. doi:10.1016/j.jclinepi.2020.01.021.
→本論文へのリンク
この度、上記の論文を批判的に吟味したレターが、
Journal of Clinical Epidemiologyに出版されました。
Suzuki E, Yamamoto M, Yamamoto E.
A general explanation of the counterfactual definition of confounding,
J Clin Epidemiol 2022: (In press). doi:10.1016/j.jclinepi.2022.02.002
→本論文へのリンク
本レターでは、Bours (2020) を三つの観点から吟味しています。
- 標的集団(target population)の重要性
- 交絡の観念の重要性
- Bours (2020) のアプローチの前提となっている強い仮定
これらの詳細は、2022年に
Journal of Epidemiologyに出版された、以下の論文の理論的知見をもとに展開しています。
Suzuki E, Yamamoto M, Yamamoto E.
Exchangeability of measures of association before and after exposure status is flipped: its relationship with confounding in the counterfactual model.
J Epidemiol 2022: (In press). doi:10.2188/jea.JE20210352.
→本論文へのリンク
上記の論文については、以前、当HPでも紹介しております。
→紹介ページへのリンク
これらの研究によって、交絡の理解が深まることを期待します。