2021/2/27

鈴木助教に「研究准教授」の称号が付与されました

2021年1月8日付で、鈴木助教に岡山大学「研究准教授」の称号が付与されました。

以下の通り、岡山大学HPの新着ニュースで紹介されています。

医歯薬学総合研究科の鈴木助教に岡山大学「研究准教授」の称号を付与

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2021/2/20

【論文出版】脳神経外科の村井先生らとの共著論文出版のお知らせ

岡山県の中核施設による多施設共同の悉皆調査を行い、脳脊髄動静脈シャント疾患の罹患率とその推移を検討した論文がStrokeに出版されました。

10年間で393例が集積され、硬膜動静脈瘻の罹患率が脳動静脈奇形の罹患率よりも多いこと、脳脊髄動静脈シャント疾患の罹患率が増加していることを示しました。

Murai S, Hiramatsu M, Suzuki E, Ishibashi R, Takai H, Miyazaki Y, Takasugi Y, Yamaoka Y, Nishi K, Takahashi Y, Haruma J, Hishikawa T, Yasuhara T, Chin M, Matsubara S, Uno M, Tokunaga K, Sugiu K, Date I.
Trends in incidence of intracranial and spinal arteriovenous shunts: hospital-based surveillance in Okayama, Japan.
Stroke. (In press). (doi: 10.1161/STROKEAHA.120.032052)
本論文へのリンク

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2021/2/17

藤永潤先生が、第48回日本集中治療医学会学術集会で優秀演題賞を受賞しました

2021年2月にウェブ開催された第48回日本集中治療医学会学術集会において、客員研究員である藤永潤先生らの演題が優秀演題賞に選ばれました。

藤永潤,鈴木越治,入江洋正,小野寺睦雄.
重症患者のBody Mass Indexと人工呼吸器依存の関係―JIPADデータを用いたコホート研究.
第48回日本集中治療医学会学術集会,神戸(ウェブ開催),2021年2月12–14日.口頭発表.

優秀演題賞:第48回日本集中治療医学会学術集会 (jsicm.org)

BMIは様々な健康アウトカムと関連し、重症患者においても重要な指標となります。低体重は重症患者における死亡率や転帰不良との関連が、肥満は人工呼吸期間、入院期間の長期化が報告されています。しかし、肥満は重症患者において死亡率が低いとも報告され、重症患者の経過に与える影響は一定しません。

本研究では、日本集中治療医学会の全国的なデータベースを用いて、重症患者における集中治療室(ICU)入室時のBMIと退室時の人工呼吸器依存状態の関係を評価しました。

レベル1を患者、レベル2をICUとするtwo-level logistic regression analysisを行い、Markov chain Monte Carlo法を用いて、人工呼吸器依存オッズ比を計算しました。

その結果、BMIが18.5未満の人工呼吸器を使用した重症患者では、BMIが18.5~23の患者と比較し、ICU退室時に人工呼吸器依存状態となる可能性が高まることがわかりました(調整済みオッズ比 1.46 (95%信用区間: 1.18–1.79))。ICUでの死亡、院内死亡、入院中の気管切開も、BMIが18.5未満の患者で増加が見られました。また、median odds ratioは1.64 (95%信用区間: 1.37–2.02) であり、ICU間でばらつきが大きいことが示されました。

今回の結果には、フレイルや低栄養状態による影響が考えられます。そのため、今後はこれらに関する指標も含まれたデータベースでの研究が望まれます。

なお、本研究に関する論文は、Respiratory Careに出版される予定です。

Fujinaga J, Suzuki E, Irie H, Onodera M.
Body mass index and ventilator dependence in critically ill patients in Japan: a cohort study using a nationwide database.
Respir Care. (In press). (doi: 10.4187/respcare.08660)

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2021/2/16

【論文出版】カナダにおける、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連

カナダにおける、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連について、原著論文がSocial Psychiatry and Psychiatric Epidemiologyに掲載されました。


Izutsu M, Suzuki E.
Is a sense of community belonging associated with problem gambling in Canada?
Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2021, (In press).
(doi: 10.1007/s00127-021-02040-w)
本論文へのリンク


ギャンブル障害について、個人レベルのリスク因子を評価した研究は多くありましたが、地域レベルのリスク因子に関する研究はほとんどなされておらず、公衆衛生上の対策を実施する上で課題となっています。


著者らは、地域レベルのリスク因子の一つとして、ソーシャルキャピタルの一要素である地域への帰属意識とギャンブル障害の関連について研究を行いました。本研究では、カナダの公的統計であるCanadian Community Health Surveyのデータを用いました。


地域への帰属意識がとても強い集団と比較すると、地域への帰属意識がとても弱い集団の方がギャンブル障害の危険性が高まることがわかりました(調整済みオッズ比:2.32倍(95%信頼区間:1.34−4.02))。さらに、地域への帰属意識とギャンブル障害の関連は、性別や婚姻状況によって効果修飾される可能性が示されました。


本研究により、ギャンブル障害に対する新たな公衆衛生アプローチの可能性が示されるとともに、対象集団に応じた対策を実施することの重要性も示唆されました。

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2021/2/14

新型コロナウイルスワクチン情報

新型コロナウイルスワクチンに関する情報を紹介しています。ワクチンに関して参考になると思いますので是非ご覧ください。

新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査(初回接種)

新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社コミナティ筋注)副反応調査(最終報告)
岡山県の依頼を受け、岡山県内の5医療機関*で協力し実施した新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社コミナティ筋注)副反応調査の最終報告です。岡山県民の方へ正確な情報提供を行うことを目的として実施しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。岡山県のHPでも公開されています。
*岡山大学病院、岡山済生会総合病院、津山中央病院、国立病院機構岡山医療センター、岡山赤十字病院(順不同)

新型コロナウイルスワクチン(武田/モデルナ社 COVID−19ワクチンモデルナ筋注)副反応調査(最終報告)
一般の方へ正確な情報提供を行うことを目的に、大学拠点接種として岡山大学で行われた、武田/モデルナ社新型コロナワクチンの副反応調査の最終報告です。厚生労働省の研究班でも副反応調査が行われていますが、その対象者は男性数が多く幅広い年代にわたっている自衛隊職員が対象であり、本調査の対象は男女半々で、若い方が多く含まれているため、厚生労働省の研究班の知見と相補的に働くと思われます。

新型コロナウイルスワクチン(武田/モデルナ社 COVID−19ワクチンモデルナ筋注)接種1か月後追跡調査報告
一般の方へ正確な情報提供を行うことを目的に、大学拠点接種として岡山大学で行われた、武田/モデルナ社新型コロナワクチンの接種1か月後追跡調査の報告です。接種1か月後の副反応の有無や満足度を評価しています。厚生労働省の研究班でも副反応調査が行われていますが、その対象者は男性数が多く幅広い年代にわたっている自衛隊職員が対象であり、接種10日後までに出現した副反応を報告しています。本調査は、対象が男女半々で若い方が多く含まれており、また接種1か月後までの長期的な副反応について調査していることから、厚生労働省の研究班の知見と相補的に働くと思われます。

小児新型コロナワクチン接種後副反応調査(最終報告)
岡山県の依頼を受け、県内の協力医療機関で、小児用新型コロナワクチンを接種した小児(5~11歳)を対象にした副反応調査の最終報告です。小児用新型コロナワクチン接種後の副反応の頻度を評価し、県民へ正確な情報提供を行うことを目的として実施しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。岡山県のHPでも公開されています。

乳幼児新型コロナワクチン接種後副反応調査(最終報告)
岡山県の依頼を受け、県内の協力医療機関で、乳幼児新型コロナワクチンを接種した乳幼児(生後6か月~4歳)を対象にした副反応調査の最終報告です。乳幼児新型コロナワクチン接種後の副反応の頻度を評価し、県民へ正確な情報提供を行うことを目的として実施しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。岡山県のHPでも公開されています。

新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査(追加接種)

新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社コミナティ筋注)3回目接種後副反応調査(最終報告)
岡山県の依頼を受け、岡山県内の5医療機関*で協力し実施した新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社コミナティ筋注)追加接種後副反応調査の最終報告です。岡山県民の方へ正確な情報提供を行うことを目的として実施しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。岡山県のHPでも公開されています。
*岡山大学病院、岡山済生会総合病院、津山中央病院、国立病院機構岡山医療センター、岡山赤十字病院(順不同)

新型コロナワクチン交互接種後副反応調査(最終報告)
岡山県の依頼を受け、県内の医療・看護・介護団体等に所属し、1・2回目にファイザー社製ワクチンを接種した後、3回目に武田/モデルナ社製ワクチンを接種した方を対象にした副反応調査の最終報告です。新型コロナワクチン交互接種後の副反応の頻度を評価し、県民へ正確な情報提供を行うことを目的として実施しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。岡山県のHPでも公開されています。

武田/モデルナ社製新型コロナウイルスワクチン追加接種(3回目接種)後副反応調査(最終報告)
武田/モデルナ社製新型コロナウイルスワクチン3回目接種後の副反応の頻度を評価し、一般の方へ正確な情報提供を行う目的で実施した、副反応調査の最終報告です。岡山大学に所属する者で、1~2回目接種で武田/モデルナ社製新型コロナウイルスワクチンを接種した後、3回目に岡山大学拠点接種にて同ワクチンを接種した1733名を対象にしています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。

オミクロン株対応2価ワクチン追加接種後副反応調査(4回目接種)

モデルナ社オミクロン株対応2価ワクチン追加接種(4回目接種)後副反応調査(最終報告)
新型コロナウイルスワクチン(モデルナ社オミクロン株対応2価ワクチン)の追加接種(4回目接種)後の副反応の頻度を評価し、一般の方へ正確な情報提供を行う目的で実施した、副反応調査の最終報告です。岡山大学教職員及び学生の合計955人が調査に回答し、4回目接種となる922人を対象に解析しています。接種の判断や準備の参考にして頂けますと幸いです。

リンク集

【岡山県】新型コロナウイルスワクチン接種に関する情報提供
岡山県の新型コロナウイルスワクチン接種に関する情報提供サイトです。川崎医科大学総合医療センター中野先生の講演や様々な手引きなど紹介されています。

【日本感染症学会】COVID-19ワクチンに関する提言(第3版)
日本感染症学会のワクチンに関する提言です。知見がよくまとめられています。

【日本アレルギー学会】新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症 (アナフィラキシー等)の管理・診断・治療
日本アレルギー学会の『新型コロナウイルスワクチン接種にともなう副反応のうち、特に重度の過敏反応(アナフィラキシー等)を起こし得る危険因子、管理、診断および治療について現時点の情報を整理し、適切にワクチン接種を行うための指針』です。

【厚生労働省】新型コロナワクチンについて
厚生労働省の新型コロナワクチンに関する情報提供サイトです。

【米国CDC】COVID-19 Vaccine
米国CDCの新型コロナワクチンに関する情報提供サイトです。英語にはなりますが、一般の方向けへの情報も充実しています。

【日本経済新聞】チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は
世界の接種状況が紹介されています。

【University of Oxford】Coronavirus (COVID-19) Vaccinations
英語にはなりますが、世界の接種状況が紹介されています。

 

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2021/2/9

【論文出版】部分共変量バランス (partial covariate balance) と部分交換可能性 (partial exchangeability) について

因果推論における大きな課題の一つは交絡(confounding)です。

交絡を調整するための分析において、「共変量バランス(covariate balance)」や「交換可能性(exchangeability)」という重要な概念があります。

2020年に、ハーバード大学の研究グループが、部分交換可能性(partial exchangeability)に関する論文を発表しました。


Sarvet AL, Wanis KN, Stensrud MJ, Hernán MA.
A graphical description of partial exchangeability.
Epidemiology 2020;31:365-8.
doi:10.1097/EDE.0000000000001165.
本論文へのリンク
本論文のErratumへのリンク


この度、上記の論文における説明について、部分共変量バランス(partial covariate balance)との関係性を論じたレターが、Epidemiologyに出版されました。


Suzuki E, Yamamoto E.
Re: A graphical description of partial exchangeability.
Epidemiology 2021;32:e7-e9.
doi:10.1097/EDE.0000000000001306.
本論文へのリンク


このレターは、2018年にAnnals of Epidemiologyに出版された、以下の論文の理論的知見をもとに展開しています。


Suzuki E, Tsuda T, Yamamoto E.
Covariate balance for no confounding in the sufficient-cause model.
Ann Epidemiol 2018;28:48-53.
doi:10.1016/j.annepidem.2017.11.005.
本論文へのリンク


上記の論文については、以前、当HPでも紹介しております。
紹介ページへのリンク


あわせて、どうぞご覧ください。

【論文出版】部分共変量バランス (partial covariate balance) と部分交換可能性 (partial exchangeability) について はコメントを受け付けていません

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