2018/2/16

【論文出版】十分原因モデルに基づいた共変量バランス(covariate balance)に関して

因果推論における大きな課題の一つは交絡(confounding)です。

この度、交絡を調整するための分析において重要となる「共変量バランス(covariate balance)」の概念を精緻化した原著論文がAnnals of Epidemiologyに出版されました。

本研究では、十分原因モデルを基に、十分原因の各背景因子を関心対象である一連の共変量として用いました。その上で、関連のある背景因子の同時分布を曝露群と非曝露群間で比較して共変量バランスの条件を考察しました。

反事実モデルと十分原因モデルの対応関係を考察した結果、標的集団にかかわらず、共変量バランスが交絡バイアスを制御するための十分条件であるものの、必要条件ではないことを示しました。この知見は、十分原因モデルが反事実モデルよりも“細かい”モデルであるという事実と合致します。

加えて、十分原因を因果ダイアグラムの枠組みで示すことにより、共変量バランスの概念モデルを視覚的に表しました。

本研究で提唱した概念化は、交絡の意味を明確にするうえで非常に有用なものです。

Suzuki E, Tsuda T, Yamamoto E.
Covariate balance for no confounding in the sufficient-cause model.
Ann Epidemiol. 2018;28(1):48–53.
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