最近、大気汚染物質曝露の健康影響が懸念されており、国内でも大気汚染物質への急性曝露と疾病別死亡の関連は評価が行われ、関連が指摘されてきています。しかしながら、疾病罹患との関連を検討した研究、特に心停止との関連を検討した研究は海外でも少なく、さらに大気汚染物質曝露と疾病罹患との関連の検討を行う際に、日単位の解析ではなく、毎時変動の影響を検証し考えられる有害作用を実証した疫学研究はごくわずかです。
本研究では岡山市の救急搬送データを利用し、症例発生前の異なる4期間(0-24時間、24-48時間、48-72時間、72-96時間)の大気汚染濃度を平均し、その影響の評価を行いました。結果として、濃度がIQR(四分位範囲)分増加する時のオッズ比は、発症から48–72時間前の浮遊粒子状物質曝露で1.17 (95% CI: 1.02–1.33)、72–96時間前のオゾンで1.40 (95% CI: 1.02–1.92)、24–48時間前の二酸化窒素曝露で1.24 (95% CI: 1.01–1.53)、48–72時間前の二酸化硫黄曝露で1.16 (95% CI: 1.00–1.34)となっており、浮遊粒子状物質、オゾン、二酸化窒素、二酸化硫黄の曝露が心停止のリスク上昇と関連していました。
Yorifuji T, Suzuki E, Kashima S.
Outdoor air pollution and out-of-hospital cardiac arrest in Okayama, Japan.
Journal of Occupational and Environmental Medicine. 2014;56(10):1019-1023.
→ 本論文へのリンク (PubMed)
本研究では岡山市の救急搬送データを利用し、症例発生前の異なる4期間(0-24時間、24-48時間、48-72時間、72-96時間)の大気汚染濃度を平均し、その影響の評価を行いました。結果として、濃度がIQR(四分位範囲)分増加する時のオッズ比は、発症から48–72時間前の浮遊粒子状物質曝露で1.17 (95% CI: 1.02–1.33)、72–96時間前のオゾンで1.40 (95% CI: 1.02–1.92)、24–48時間前の二酸化窒素曝露で1.24 (95% CI: 1.01–1.53)、48–72時間前の二酸化硫黄曝露で1.16 (95% CI: 1.00–1.34)となっており、浮遊粒子状物質、オゾン、二酸化窒素、二酸化硫黄の曝露が心停止のリスク上昇と関連していました。
Yorifuji T, Suzuki E, Kashima S.
Outdoor air pollution and out-of-hospital cardiac arrest in Okayama, Japan.
Journal of Occupational and Environmental Medicine. 2014;56(10):1019-1023.
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