疫学研究において、選択バイアスは重要な論点の一つとなっています。特に高齢者コホートでは、研究対象者の死亡による打ち切りが、選択バイアスを引き起こし得る重要な因子の一つとして認識されています。
この度、この問題を扱うにあたり、inverse probability weightingとprincipal stratificationの二つのアプローチを比較検討することの重要性を提起したコメンタリーが、EPIDEMIOLOGYに出版されました。本コメンタリーは、パリのInsermの研究者らとの共同執筆です。
コメンタリーの対象となった論文では、inverse probability of attrition weights (IPAW) を用いて、高齢者における喫煙と認知機能低下の関連を評価していました。本コメンタリーでは、追跡期間中に死亡した対象者において、認知機能低下に関する潜在アウトカムが「欠損」しているのか、あるいは「定義できない」状態にあるのかを明確に概念化すること、及び、因果を評価する対象となるtarget populationを明確にすること等の重要性を論じています。著者らからは、非常に長いrejoinderも出版されています。一連の論文が、今後の選択バイアスの議論に重要な示唆を与えることが期待されます。
Chaix B, Evans D, Merlo J, Suzuki E.
Weighing up the dead and missing: reflections on inverse-probability weighting and principal stratification to address truncation by death.
Epidemiology. 2012;23(1):129-131.
→ 本論文へのリンク
この度、この問題を扱うにあたり、inverse probability weightingとprincipal stratificationの二つのアプローチを比較検討することの重要性を提起したコメンタリーが、EPIDEMIOLOGYに出版されました。本コメンタリーは、パリのInsermの研究者らとの共同執筆です。
コメンタリーの対象となった論文では、inverse probability of attrition weights (IPAW) を用いて、高齢者における喫煙と認知機能低下の関連を評価していました。本コメンタリーでは、追跡期間中に死亡した対象者において、認知機能低下に関する潜在アウトカムが「欠損」しているのか、あるいは「定義できない」状態にあるのかを明確に概念化すること、及び、因果を評価する対象となるtarget populationを明確にすること等の重要性を論じています。著者らからは、非常に長いrejoinderも出版されています。一連の論文が、今後の選択バイアスの議論に重要な示唆を与えることが期待されます。
Chaix B, Evans D, Merlo J, Suzuki E.
Weighing up the dead and missing: reflections on inverse-probability weighting and principal stratification to address truncation by death.
Epidemiology. 2012;23(1):129-131.
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