2009/11/24

長期メチル水銀曝露と高血圧の関係に関する論文掲載のお知らせ

水俣において、長期メチル水銀曝露と高血圧の関係に関して検証した論文が、Environmental Research誌にEpub ahead of printで出版されました。最近、メチル水銀曝露と心血管系疾病(心筋梗塞や高血圧など)の関連について議論が盛んにされていますが、本研究はメチル水銀曝露を受けた水俣地域で同様の仮説を検証した論文です。その結果、メチル水銀曝露を受けた地域では、高血圧の有病割合が高く、高血圧の基礎疾患を持つ方が多くなっていました。

Yorifuji T, Tsuda T, Kashima S, Takao T, Harada M
Long-term exposure to methylmercury and its effects on hypertension in Minamata
(Environmental Research, 2010; 110: 40–46)

本論文へのリンク(PubMed)

長期メチル水銀曝露と高血圧の関係に関する論文掲載のお知らせ はコメントを受け付けていません

2009/11/13

水俣病における臍帯メチル水銀濃度が語りかけるものに関する論文掲載のお知らせ

水俣病において、臍帯メチル水銀濃度が何を語りかけているのか、またそれが水俣病の歴史と合致するのかを検証した論文が、Science of the Total Environment誌に掲載されました。本研究は、メチル水銀の曝露を受けた不知火海周辺4地域で集められた臍帯メチル水銀濃度を時間的・地理的に評価した所、その分布が既知の水俣病の歴史と合致していることを示しました。また、水俣病を、地域で起こった曝露が子宮の環境を汚染していることを示した事例だと紹介しています。

What has methylmercury in umbilical cords told us? – Minamata disease –.
Yorifuji T, Kashima S, Tsuda T, Harada M.
(Science of the Total Environment. 2009; 408: 272-276)

本論文へのリンク(PubMed)

水俣病における臍帯メチル水銀濃度が語りかけるものに関する論文掲載のお知らせ はコメントを受け付けていません

2009/11/9

「臨床医のための疫学シリーズ」(第4回)掲載のお知らせ

日本救急医学会雑誌に、「臨床医のための疫学シリーズ:地域中核病院で行う臨床研究」と題して、全5回の連載を行っています。本シリーズは、地域中核病院の臨床医が中心となって臨床研究を行えることを目指し、特に疫学的視点から臨床研究のコア部分について紹介することを目的としています。第4回では、バイアスに関して、選択バイアス、情報バイアス、交絡バイアスの観点から解説を行うとともに、研究結果の解釈の仕方に関して紹介しています。最終回もご期待ください。

臨床医のための疫学シリーズ:地域中核病院で行う臨床研究 第4回
バイアスの考え方、結果の解釈の仕方(疫学各論3)
Clinical research based on community hospitals Lesson 4:
How to interpret bias and results of clinical research.
小松裕和、鈴木越治、土居弘幸.
日本救急医学会雑誌 2009; 20:794-800

本論文へのリンク

<Erratum>
798ページ左欄にて、以下の文に関して修正があります。
修正前:バイアスが生じる要素がある場合には,そのバイアスが「真の値」から「推定値」を「どの方向」に「どの程度」ずらすようなバイアスか,つまり過大評価(away the null:リスク比の場合は「1」に近づく)するバイアスか,過小評価(toward the null:リスク比の場合は「1」から遠ざかる)するバイアスかを2×2表を用いて検討をする。

修正後:バイアスが生じる要素がある場合には,そのバイアスが「真の値」から「推定値」を「どの方向」に「どの程度」ずらすようなバイアスか,つまり過大評価(away the null:リスク比の場合は「1」から遠ざかる)するバイアスか,過小評価(toward the null:リスク比の場合は「1」に近づく)するバイアスかを2×2表を用いて検討をする。

「臨床医のための疫学シリーズ」(第4回)掲載のお知らせ はコメントを受け付けていません

Page Top