新型コロナ関連研究・活動

2024/8/7

【論文出版】新型コロナウイルスワクチン追加接種後の抗体動態について

備前市の住民を対象に、ブースターワクチン接種後のSARS-CoV-2抗体動態をモデル化しました。調査の結果、抗体レベルは時間の経過とともに低下する一方で、追加接種回数が増えるにつれて上昇することが明らかになりました。また、変異株対応ワクチンを接種した場合には、抗体レベルが顕著に上昇することが確認されました。さらに、過去に感染歴がある人は、感染歴のない人に比べて、ワクチン接種後により高い抗体価を維持する傾向が見られました。これらの結果を踏まえ、年齢、性別、感染歴に基づいた個別のブースター戦略の重要性が示唆されました。

Matsumoto N, Sasaki A, Kadowaki T, Mitsuhashi T, Takao S, Yorifuji T. Kinetics of SARS-CoV-2 antibody titers after booster vaccinations during an Omicron surge in Japan. Vaccine. 2024 Jul 31;42(21):126156. doi: 10.1016/j.vaccine.2024.126156. Online ahead of print.

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2024/5/4

【論文出版】オミクロン株流行期における抗体価と新型コロナウイルス感染の関連

備前市在住者または市内に所在する団体に在籍する1,899人の成人を対象に、2022年6月から2023年3月までの間、SARS-CoV-2に対する抗体価を2ヵ月ごとに繰り返し測定しました。各抗体測定日の抗体価と測定から2ヵ月以内の感染リスクとの関連を評価し、抗体価が高いほど感染のリスクは低い傾向にあることがわかりました。

Kadowaki T, Sasaki A, Matsumoto N, Mitsuhashi T, Hagiya H, Takao S, Yorifuji T.
Antibody titers and the risk of infection during the SARS-CoV-2 Omicron phase in Bizen City, Japan
J Infect Dis. 2024 Apr 24:jiae207. doi: 10.1093/infdis/jiae207. Online ahead of print.
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2024/4/12

【論文出版】COVID-19感染拡大による高血圧治療中断への影響

岡山県の国保データベース(KDB)を用いて、40~69歳の高血圧患者を対象に、2020年4月のCOVID-19感染拡大によって、高血圧治療の中断が増加したのかを検討しました。治療中断件数には周期的な変動が観察され、それを調整したモデルでは、治療中断の有意な増加は認めませんでした。

Nakamura N, Mitsuhashi T, Matsumoto N, Hayase S, Yorifuji T.
Treatment interruption in hypertensive patients during the COVID-19 pandemic: An interrupted time series analysis using prescription data in Okayama, Japan
J Gen Fam Med. 2024 Feb 21;25(2):102-109. doi: 10.1002/jgf2.678. eCollection 2024 Mar.

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2024/4/3

【論文出版】亜鉛欠乏症とCOVID-19の重症化の関連

津山中央病院感染症内科の藤田先生、岡山大学病院総合内科・総合診療科/感染症内科との共著論文が出版されました。2020年3月から2021年4月までCOVID−19に罹患し、津山中央病院に入院となった患者さん60名を対象とし検討したところ、身近で栄養学的にも重要なミネラルである亜鉛が体内で欠乏していると、COVID-19に罹患した際に適切な治療を開始しても酸素投与が必要な肺炎(中等症Ⅱ以上)に悪化しやすいことがわかりました。

Fujita K, Ocho K, Kadowaki T, Yorifuji T, Hagiya H, Otsuka F.
Zinc deficiency is a potential risk factor for COVID-19 progression to pneumonia requiring oxygen therapy
J Infect Chemother. 2024 Mar 8:S1341-321X(24)00082-5. doi: 10.1016/j.jiac.2024.03.007.

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2024/3/15

【論文出版】過去の感染歴やワクチン追加接種回数と新型コロナウイルス抗体価の関連

新型コロナウイルス感染症に関する備前市プロジェクト(BCAT)の論文がScientific Reportsに掲載されました。本研究では、オミクロン株流行下において、過去の感染歴やワクチンの追加接種回数が抗体価の推移にどのように影響するかを前向きに調査し、個別化したブースター戦略の重要性を示しました。過去に感染した経験のある人は1年以上にわたって高い抗体価を維持し、ワクチンの追加接種回数が多いほど抗体価の初期値が高く、減衰も緩やかでした。性別、年齢、疾患、喫煙歴は接種直後の抗体価に影響していましたが、減衰にはあまり関連していませんでした。
調査にご協力いただいた備前市の皆様にお礼を申し上げます。

Matsumoto N, Sasaki A, Kadowaki T, Mitsuhashi T, Takao S, Yorifuji T.
Longitudinal antibody dynamics after COVID-19 vaccine boosters based on prior infection status and booster doses. Sci Rep. 2024 Feb 25;14(1):4564. doi: 10.1038/s41598-024-55245-9.

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2024/2/28

備前市新型コロナウイルス抗体検査事業・2023年度結果報告

2022年度に実施した「備前市新型コロナウイルス感染症抗体検査事業」に引き続き、備前市内に所在する団体に在籍する成人の方を対象として、新型コロナウイルスに対する抗体検査を実施しました。2023年11月と2024年1月の全2回、静脈血採血により採取した血液を用いて抗S抗体と抗N抗体を測定し、個人の抗体価の経時的変化と参加者の抗S抗体と抗N抗体の保有割合を評価しました。

詳細はこちらをご覧ください。
2023年度備前抗体検査中間報告

「備前市と国立大学法人岡山大学との連携・協力協定」のもと、2022年度より実施している本事業は、2023年度を以て終了いたします。
調査にご協力いただいた関係者の皆様、大変ありがとうございました。

実施窓口 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野
電話番号 086-235-7177
備前市担当 備前市保健福祉部保健課健康係 0869-64-1820
備前市新型コロナウイルス抗体検査事業・2023年度結果報告はコメントを受け付けていません。

2024/5/12

【論文出版】COVID-19クラスターが発生した高齢者施設における抗体価の経時的変化

COVID-19クラスターが発生した高齢者施設において、抗体価検査を行った171人を対象とし、抗体価の経時的変化を評価しました。また抗体価と感染リスク、重症化との関連を評価しました。施設では、研究期間中に施設職員が最初の感染源となるクラスターが2回発生し、非感染者は感染者よりも抗体価のばらつきが少なく、クラスター発生前の抗体価が高い傾向にありました。また、抗体価が高い参加者の感染リスクおよび重症度は低い傾向にありました。

Kadowaki T, Sasaki A, Matsumoto N, Mitsuhashi T, Takao S, Yorifuji T.
Longitudinal changes in antibody titers in a nursing home in which COVID-19 clusters occurred
Am J Infect Control. 2024 Feb 14:S0196-6553(24)00063-4. doi: 10.1016/j.ajic.2024.02.006. Online ahead of print.

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2024/1/5

【論文出版】岡山大学拠点接種における新型コロナウイルスワクチン副反応調査のまとめ

コロナ禍に岡山大学が教職員および学生を対象に行った、mRNA-1273(モデルナ)ワクチン接種後の副反応や抗体価上昇についての一連の研究をまとめたreviewがActa Medica Okayamaに掲載されました。調査にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

Matsumoto N, Higuchi C, Miyaji C, Mitsuhashi T, Hagiya H, Takao S, Yorifuji T.
Review of a Series of Surveys on Adverse Reactions to the COVID-19 mRNA-1273 Vaccine at Okayama University.
Acta Med Okayama. 2023 Dec;77(6):567-575. doi: 10.18926/AMO/66148.
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2024/1/2

【開催案内】新興感染症に対する医療提供体制調整検討協議会WG企画 特別講演・討論会

2024年1月27日(土)に新興感染症に対する医療提供体制調整検討協議会ワーキンググループ企画特別講演・討論会を開催いたします。ひろしまCDCセンター長桑原先生のお話しや、当該ワーキンググループの途中経過報告、また『新型コロナ対応の際に生れたネットワークの紹介・検討と今後必要なことを考える』と題して討論会を行いたいと思います。この講演・討論会に参加された方が、今後の岡山県内の感染症対策・疫学分析・人材育成などに必要なことを考えるきっかけとなり、更に新型コロナ対応の際に生まれたネットワークを知り、参加者自身が今後自分でできることを考えるきっかけとなればと考えています。詳細はこちらをご覧ください。

2023/12/15

岡山県クラスター対策班(OCIT)が令和5年度岡山県医師会会長賞を受賞しました

岡山県クラスター対策班(OCIT)が令和5年度岡山県医師会会長賞を受賞しました。新型コロナウイルス感染症まん延時における施設等でのクラスター対応や感染予防研修、疫学分析などの活動が評価されました。関係の皆さま、ご協力・ご指導大変ありがとうございます。

OCITに関する情報へのリンク

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