研究業績

2020/7/20

【論文出版】強度近視眼黄斑円孔網膜剥離における内境界膜剥離法と内境界膜翻転法の術後成績を比較した原著論文

多施設の強度近視眼黄斑円孔網膜剥離100眼に対して、患者背景と解剖学的要素も含めて、内境界膜剥離法と内境界膜翻転法の術後成績を比較検討した論文がOphthalmology Retinaに出版されました。

円孔閉鎖と術後視力に関する多変量解析を行った結果、翻転法は剥離法に比べて黄斑円孔閉鎖率が高く、術後視力の改善が認められました。

Matsumae H, Morizane Y, Yamane S, Yanagisawa S, Sakurai T, Kobori A, Imai H, Kanzaki Y, Suzuki E, Kadonosono K, Hayashi A, Shiraga F, Kuriyama S.
Inverted internal limiting membrane flap versus internal limiting membrane peeling for macular hole retinal detachment in high myopia.
Ophthalmol Retina. (In press). (doi:10.1016/j.oret.2020.03.021)
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2020/9/5

【論文出版】周辺構造モデル(marginal structural models)に関する総説論文

因果推論は、医学研究において重要な課題です。この課題にこたえるため、疫学では、因果推論に関する様々な理論や方法論が構築されてきました。

この度、周辺構造モデル(marginal structural models)に関する特別総説論文が、Journal of Epidemiologyに出版されました。

Shinozaki T, Suzuki E.
Understanding marginal structural models for time-varying exposures: pitfalls and tips.
J Epidemiol. 2020;30(9):377–389. (doi: 10.2188/jea.JE20200226)
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本論文は、Journal of Epidemiologyで2020年4月号から新たに始まった「Pitfalls and Tips for Statistical Methods in Epidemiology」という総説論文シリーズの論文です。

論文で紹介している仮想例のSASコードおよびStataコードも、付録として出版されています。

主な内容は、以下の通りです。

  • 周辺構造モデルと逆確率重み付けは区別すべきである
  • 周辺構造モデルは推定対象とする因果母数への仮定を表す一方で、曝露確率モデルは観察分布に対する制約を与える
  • 周辺構造モデルと曝露確率モデルは用いる目的が異なっており、それぞれのモデルの誤特定によるバイアスの生じ方も異なる
  • 現実のデータ解析でモデルを特定する際に直面する課題は、周辺構造モデルと曝露確率モデルでは異なる
  • g-公式は、因果効果の識別には逆確率重み付けと同じ条件を要するが、g-公式で周辺構造モデルが推定できるのは飽和した場合に限られる

なお、同シリーズでは、以下の論文も2020年4月に出版されています。

Suzuki E, Shinozaki T, Yamamoto E.
Causal diagrams: pitfalls and tips.
J Epidemiol. 2020;30(4):153–162. (doi:10.2188/jea.JE20190192)
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あわせて、どうぞご覧ください。

2020/7/18

【論文出版】日本人関節リウマチ患者において、抗TNFα阻害薬の治療反応性に肥満が関与するかを検証した原著論文

日本人関節リウマチ患者において、抗TNFα阻害薬の治療反応性に肥満が関与するかを検証した論文がArchives of Rheumatologyに出版されました。

ベースライン時の簡易化疾患活動性指標(simplified disease activity index: SDAI)などの交絡因子を調整して、12か月後の非寛解オッズ比を求めました。標準体重群に比べて、肥満群における調整オッズ比は1.8 (95%信頼区間:0.4–7.6)でした。統計的には有意ではありませんが、日本人関節リウマチ患者では、肥満が抗TNFα阻害薬治療の阻害因子である可能性が示唆されました。

Yamazaki K, Suzuki E, Ishihara R, Miyamoto T.
Obesity and remission rates in Japanese patients with rheumatoid arthritis requiring anti-tumor necrosis factor alpha therapy.
Arch Rheumatol. (In press). (doi:10.46497/ArchRheumatol.2020.7852)
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2020/7/13

【論文出版】満期産児の週数別(出生)体重SD値とその後の健康・行動発達の関連に関する原著論文

岡山医療センターの玉井先生らとの共著論文が出版されました。満期産児の週数別
(出生)体重SD値と5歳半までの健康・行動発達の関連を評価した研究で、入院や行
動発達への悪影響のリスクは週数に比べ体重が小さくなるほど、また大きくなるほど
上がっていましたが、小さくなる方がよりリスクの上がり方は顕著でした。

Tamai K, Yorifuji T, Takeuchi A, Fukushima Y, Nakamura M, Matsumoto N,
Washio Y, Kageyama M, Tsukahara H.
Associations of Birth Weight for Gestational Age With Child Health and
Neurodevelopment Among Term Infants: A Nationwide Japanese Population-Based Study
J Pediatr. 2020 Jul 5;S0022-3476(20)30829-5. doi:
10.1016/j.jpeds.2020.06.075. Online ahead of print.

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2020/6/22

【論文出版】母乳栄養による後期早産児の健康影響の効果修飾に関する原著論文

中村和恵院生の母乳栄養による後期早産児の健康影響の効果修飾に関する論文が
出版されました。後期早産児は正期産児よりも生後1.5歳までに入院するリスクが高く、
母乳栄養が後期早産児の消化管感染症による入院を減らす可能性が示唆されました。

Nakamura K, Matsumoto N, Nakamura M, Takeuchi A, Kageyama M, Yorifuji T.
Exclusively Breastfeeding Modifies the Adverse Association of Late Preterm
Birth and Gastrointestinal Infection: A Nationwide Birth Cohort Study.
Breastfeed Med. 2020 Jun 12. doi: 10.1089/bfm.2020.0064. Online ahead of
print.

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2020/6/10

高尾講師が令和元年度岡山医学会賞教育奨励賞を受賞しました

令和2年6月6日に、高尾講師が令和元年度岡山医学会賞教育奨励賞を受賞しました。
岡山大学医学部並びに大学院研究科における教育への貢献、及び日本医師会認定産業
医基礎研修会を通した社会貢献などが評価されました。

新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、岡山医学会・鶴翔会・岡山大
学関連病院長会合同総会による授賞式は中止となりましたが、賞状やトロフィーを無
事に受け取らせて頂きました。今までご指導・ご支援頂いた全ての方に感謝申し上げ
ます。

岡山医学会賞に関しては以下をご覧ください。

岡山医学会賞についてはコチラから

2020/5/26

【論文出版】救急救命科の内藤先生らとの共著論文出版のお知らせ

救急救命科の内藤先生らとの共著論文がResuscitationに出版されました。

Naito H, Yumoto T, Yorifuji T, Tahara Y, Yonemoto N, Nonogi H, Nagao K, Ikeda T, Sato N, Tsutsui H.

Improved Outcomes for Out-of-Hospital Cardiac Arrest Patients Treated by Emergency Life-Saving Technicians Compared With Basic Emergency Medical Technicians: A JCS-ReSS Study Report.

Resuscitation. 2020 May 15;S0300-9572(20)30186-6. doi: 10.1016/j.resuscitation.2020.05.007. Online ahead of print.

本論文へのリンク

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2020/5/12

【論文出版】多変量解析で何を調整するべきか―観察研究におけるバイアスの整理―

観察研究におけるバイアスを整理し、多変量解析で何を調整するべきかを論じた総説
が、岡山医学会雑誌に出版されました。

頼藤貴志
多変量解析で何を調整するべきか―観察研究におけるバイアスの整理―
岡山医学会雑誌 第132巻 April 2020, pp.18-24
本論文へのリンク

どうぞご覧ください。

2020/5/2

【論文出版】インドネシアにおけるPM2.5と糖尿病の有病割合の関連に関する原著論文

Suryadhi MAHさん(元岡山大学大学院環境生命科学研究科所属)の原著論文が出版されました。

インドネシアにおいて大規模調査データを利用した、微小粒子状物質(PM2.5)と糖尿病の有病割合の関連に関する原著論文が、Environment Internationalに出版されました。

Suryadhi MAH, Suryadhi PAR, Abudureyimu K, Ruma IMW, Calliope AS, Wirawan DN, Yorifuji T.
Exposure to particulate matter (PM2.5) and prevalence of diabetes mellitus in Indonesia.
Environ Int. 2020 Apr 25;140:105603.
本論文へのリンク

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2020/4/8

【論文出版】因果ダイアグラムに関する総説論文

医学研究において、因果推論は重要な課題です。この課題にこたえるため、疫学では、因果推論に関する様々な理論や方法論が構築されてきました。

この度、因果モデルの一つである因果ダイアグラムに関する特別総説論文が、Journal of Epidemiologyに出版されました。

Suzuki E, Shinozaki T, Yamamoto E.
Causal diagrams: pitfalls and tips.
J Epidemiol. 2020;30(4):153–162. (doi:10.2188/jea.JE20190192)
本論文へのリンク

本論文は、Journal of Epidemiologyで新たに始まった「Pitfalls and Tips for Statistical Methods in Epidemiology」という総説論文シリーズの第一回目です。

主な内容は、以下の通りです。

  • 疫学者は、対象とする因果構造に関する既知の事柄を表すツールとして、因果ダイアグラムを用いてきた。
  • 因果非巡回有向グラフは、適切に用いられるならば、因果推論をする上で有用なツールである。
  • 因果非巡回有向グラフを用いる際には、避けるべき多くの落とし穴がある。
  • 因果ダイアグラムは、研究の様々な段階で非常に役立つものであり、研究デザイン、データ収集、分析、研究結果の解釈などの際に用いられる。
  • 因果推論における教育的ツールとして、因果ダイアグラムの価値はとても大きい。

本シリーズに関する以下のEditorialとあわせて、どうぞご覧ください。

Fujiwara T.
Pitfalls and tips for statistical methods in epidemiology: a new series of special articles has started.
J Epidemiol. 2020;30(4):151–152. (doi:10.2188/jea.JE20190360)
本論文へのリンク

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